Vol.39 ハイヤーセルフを超えて【事実は何?】

2014. 11. 28 配信

~「事実」と「解釈」を区別する~

 

こんにちは!
透視リーダー☆ちはるです。

先日、何気なく立ち寄った本屋さんで、ある雑誌にふと目が留まりました。

雑誌名は「Star People」。
なんとあの「十牛図」の禅画が表紙を飾っているではありませんか。
(十牛図とは↓
Vol.28 ハイヤーセルフを超えて【幻想から目覚める⑧】)

ページをめくると、エゴ(自我)の解放について、現代の覚者たちの言葉が寄せられていました。

 

「覚醒」や「悟り」なんて、そんなことはどうでもいい。
幸せに生きるためのもっと具体的な方法を知りたい。
そんな思いでいた自我主体の18年前の私は、覚醒や悟りについて語られる抽象的な内容を、現実世界には役には立たないものと見なして、それらに意識を向けることはありませんでした。
覚醒や悟りを経て目覚めて生きることこそが、誰もが潜在的に求めている真の幸せであるとは、つゆほども気づかずに。

 

目覚めているとは、この世のすべては己が創り出している幻想であることが、概念を超えて、完全に腑に落ちている意識状態のことです。

「自由意思」や「選択」さえも幻想に過ぎず、自我の自分は実は何もしてはいないのだと自覚している意識のありようのことです。

 

ここ数年で、時空の壁がどんどん薄くなり、意識の目覚めが急速に拡大しつつあるようです。

今日も、自我の解体作業を楽しみながら、私たちの意識を目覚めさせていきましょう☆.。.:*・

・・・・・・・・*・・・・・・・・*・・・・・・・・*・・・・・・・・

前回のメルマガでは、二極の感情についてお話ししました。

ポジティブな感情とネガティブな感情は、同じ価値。
ありのまますべての感情を等しく認めて受け入れることで、それらの感情体験が完了するとともに、次なる新しい現実が開かれていくのだとお伝えしたのでしたね。

 

それでは、ありのままの感情を受け入れるとは、具体的にはどうすればよいのでしょう?

 

ありのままの感情を受け入れることについて、これから次の三つのステップを踏んで、話を進めていきますね。

1.「事実」と「解釈」を区別する
2.感情の正体を知る
3.感情を「感じ切る」

 

今日は、最初に、1の「「事実」と「解釈」を区別する」について、お伝えしていきましょう。

 

 

「塞翁が馬(さいおうがうま)」という言葉をご存知でしょうか?↓
http://gogen-allguide.com/sa/saiougauma.html
(出典:語源由来辞典 2014.11.28現在)

この故事成語の由来である物語には、人間意識(自我)のありようが巧みに描かれています。

老人と馬にまつわるこの中国のいにしえの物語を、ここでは現代風に書き換えてご紹介しますね。
以下のドラマを題材に、「事実」と「解釈」の区別を行っていきましょう。

まずは、主人公A子さんの視点で、ドラマを読み進めてみましょう。

 

<起>
あるとき、A子さんの愛犬コロが突然行方不明に。
「ああ、どうしよう。こんな大変なことが起こるなんて」
ひどく動揺し、うろたえるA子さん。
不安と心配で、眠れない夜を過ごします。

<承>
数日後。
愛犬コロがリッチでイケメンのB男さんに保護され、A子さんへのもとへと無事に戻ってきます。
A子さんとB男さんは互いにひと目惚れして付き合うことに。
「コロがいなくなったのは彼と出会うためだったんだわ」
「ついに運命の相手と巡り会えた・・・ああ幸せ」
喜びに感極まり、うっとり幸せに酔いしれるA子さん。

<転>
数か月後。
B男さんはA子さんの親友C子さんに心奪われ、A子さんはあえなく失恋。
B男さんとC子さんはおめでた婚をします。
「こんなひどい目に遭うなんて」
「なんて惨めなのかしら・・・ああ不幸」
失意のどん底にあえぐA子さん。
再び眠れない日々が訪れます。

<結>
数年後。
A子さんはやつれ果てたC子さんと街でばったり再会。
聞けば、B男さんは実は女癖と酒癖が悪く、結婚直後に多額の借金があることも発覚。
現在二人は離婚調停中であるとのこと。
「あんな男とは別れて正解だったのだ」
「私は守られていたのだ。私は幸運だった」
かつての親友C子さんの打ち明け話を聞きながらA子さんはそう思い、密かに溜飲を下げたのでした。

 

いかがでしたか?
A子さんの視点に同調いただけたでしょうか?

では、今度は、このドラマの「事実」に焦点を当ててみましょう。
A子さんの身に実際に起きた出来事とは何でしょう?

 

○<起>の事実は何?
・A子さんの愛犬がいなくなった。

○<承>の事実は何?
・愛犬がB男さんに連れられ戻ってきた。
・A子さんとB男さんは付き合い始めた。

○<転>の事実は何?
・A子さんとB男さんは別れた。
・B男さんとC子さんが結婚した。

○<結>の事実は何?
・A子さんはC子さんと街で再会した。
・A子さんはC子さんからB男さんとの近況を聞いた。

 

これらが、このドラマの中の実際の出来事=「事実」です。
そして、これらの事実以外の内容は、おのおのの出来事に対する主人公A子さんの反応。
すなわち、A子さんの思考(価値判断、推測)と感情によって、事実を元に組み立てられたストーリー=「解釈」になります。

人生ドラマの中の出来事それ自体は、そもそも、ただそう在るだけの中立な単なる事象であり、何ら意味を持ちません。
もともと何ら意味を持たない中立な出来事に、主人公の思考と感情が加えられることによって、意味が生まれて、ドラマが創り出されているのです。

 

愛犬がいなくなった出来事そのものが、大変なことなのではありません。
愛犬がいなくなった出来事を大変ととらえて動揺している、A子さんの思考と感情があるだけです。

愛犬が戻りB男さんと出会った出来事それ自体が、喜びあふれる幸せなことなのではありません。
その出来事を幸せととらえて喜びを味わっている、A子さんの思考と感情があるだけです。

自分を振った男性と親友が結婚した出来事それ自体が、惨めで不幸なことなのではありません。
その出来事を不幸ととらえて惨めさを味わっている、A子さんの思考と感情があるだけです。

B男さんと別れたことそれ自体が、正しく幸運な出来事なのではありません。
その事実を正解で幸運ととらえている、A子さんの解釈こそがドラマを創り出しているのです。
さらに言えば、B男さんの本性やB男さんとC子さんの実情については定かではありません。
C子さんから話を聞いたということだけが確かな事実です。

 

このドラマの主人公A子さんのように、私たちは目の前の出来事について、自覚なしに、瞬時に自動的に思考と感情によって意味づけをして、自我独自の解釈=ストーリーを創り上げています。

目の前に広がる無色透明な映像(=出来事)に、思考という絵筆と感情という絵具で色づけをして映像を脚色し、リアリティや深刻さを演出しています。

言い換えれば、事実というシンプルでまっさらな素材に、思考と感情という具材をてんこ盛りに加えて混ぜ合わせ、濃厚で複雑で刺激的なストーリーを創り上げることで、事実と解釈(ストーリー)を混同させているのです。

 

こんなにイヤなことがあった。
こんなにイヤな人がいる。
こんなにいいことがあった。
こんなにいい人たちに恵まれている。
私たちがふだん何気なくこう言葉にするとき、私たちは事実と解釈(ストーリー)を混同させ、ストーリーという幻想に力を与えて己を無力化させています。

「イヤなこと」や「いいこと」という出来事はありません。
「イヤな人」や「いい人」という人物はどこにもいません。
これらはすべて意味づけされた解釈でしかありません。

無色透明の中立な出来事について、これはイヤ、あれはいいと自動反応している思考や感情があるだけです。
ありのままの相手を、イヤな人、いい人と分類してとらえている自我の解釈があるだけです。

目の前の出来事がどれほどすばらしいものに感じられようと、どれほどひどいことのように思われようと、いかなる出来事であろうとも、出来事それ自体はポジティブでもネガティブでもなく、正しいことでも間違っていることでもなく、幸福でも不幸でもない、『ただそれだけ』。
ただそのように在るだけのことです。

 

今起きているドラマの事実を見ましょう。

事実を見るとは内なる空の目で「観る」ということ。
事実は何かと己に問いかけ、現状を遠くから眺めて、ただ見つめるのです。

事実はシンプルであり、中立であり、淡々と目の前に現れては消えゆく儚い映像です。
事実以外の事実ではない複雑で難解なものはすべて、判断、推測、分析、考慮、感情が織り交ぜられて、事実がドラマチックに加工されたストーリーです。

無色透明の中立なる事実に焦点を合わせることで、無色透明の中立なる空意識の己と同調し始めます。
シンプルな事実をただ見つめることによって、思考と感情の騒音が次第に静まり返り、複雑で難解なストーリーがおのずとほどかれていくのです。

 

事実に焦点を合わせるにつれ、人がいかに巧みに思考や感情を事実とごちゃ混ぜにしてストーリーを練り上げ、自らを混乱に陥れているのかがわかるようになるでしょう。

こうなって、ああなって、だから、こうして・・・。
それなのに、でも、だって、やっぱり・・・。
こんなふうにあなたにつらつらと悩みを語る友人の、話の大半が思考と感情にまみれたストーリーであり、相手がストーリーにどっぷり浸ってエネルギーを消耗させ、創造パワーを低下させていることに気づくでしょう。

事実を見つめることで、起きてもいないストーリーに要らない不安やストレスを感じている自分に気づいたり、問題がもはや問題ではなくなることさえあるでしょう。

 

あなたを今悩ませていることとは何でしょう?

あなたのその悩みに、こう問いかけてみましょう。

 

「事実は何?」

 

そして、それは、はたして本当に、思考や感情の混じり気ない、確かな事実でしょうか?

 

 

次回も、感情についてさらに掘り下げ、エゴの解放を楽しんでいきましょう.。.:*☆

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました☆彡

プロフィール

クリアサイト認定透視ヒーラー

荻野 智晴

上級透視リーダー、上級ヒーラー。 1997年、クリアサイトジャパン「クレアボヤンススクール」「エナジェティック・メディスンスクール」修了。

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