~さまざまな見かけからできたこの世界のひとつひとつの要素は、現状がそうあっては欲しくないというほんの小さな小さな願いから生まれているのです~
すべては今の状況が気に入らないという強い思いから生じています。
その思いは極めて自然に生じるものですが、それがどんなものであろうとも、注目されたときには世界のすべてを創造します。まず、その現状を変えるために働きかけるための「私」というものを創造し、次にその「私」は、それを実行するための方法と完成させるまでの時間を必要とするようになります。
そして、たぶん、他の誰かの助けも必要になるでしょう。こうして弟子を必要とする師と、その師を必要とする弟子を創造し、本を必要とする人々のために本を書く人々を創造し、この世界全体、つまり目に映るものたちすべてができ上がります。
さまざまな見かけからできたこの世界のひとつひとつの要素は、現状がそうあっては欲しくないというほんの小さな小さな願いから生まれているのです。そしてその願いが消える、つまり何かを追い求めなくなったとき、(身振りを交えて)ヒューっと世界全体も消えてしまいます。
『あなたも私もいない』(リック・リンチツ著)より