2025.9.16 配信
「夢は集合意識への入り口」
その昔、ある女性がそう教えてくれました。
人が寝ている間に見る夢の世界(アストラル界)は、人間の集合的無意識の領域=集合意識とつながっていて、そこではあらゆる情報が共有されていて知りたいことを何でも知ることができる。
夢を通じて集合意識にアクセスすれば、自分の思いを簡単に実現させることができるし、誰かの潜在意識(無意識)に侵入して、相手の記憶や人生の行く先を書き換えたり、相手の能力や運氣を奪い取ることさえ、いとも簡単に成し得てしまう。
“夢見の術”を用いて、そんなふうに自他の無意識の領域を自在に操る者たちが特定多数存在していると、その女性は声をひそめて話していました。
夢の世界と直結している人間の集合意識の場というのは、はたして、どのようなところなのでしょうか?
夢の樹海を分け入った先に広がる驚愕の光景とは?
今回は、夢見の達人から聞いた戦慄の目撃エピソードをお届けしますね☆.。.:*・
(※個人の特定を避けるために、内容を部分的に変更しています)
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「現実よりも夢の世界のほうがリアルだった」
ユメミさん(仮名)は子どもの頃を、そう振り返ります。
入院していた祖父の亡くなる日時を夢で知ったり、夢の中で言葉を交わした見知らぬ女の子と、後日、近所の公園でばったり出くわしたり。
成長するにつれて、そうした予知夢の数々が当たり前の日常となり、さらには、明晰夢を見る方法や夢のシナリオをうまくコントロールする技をいつの間にかマスターしたユメミさんは、思春期を迎えると、連日連夜、少女漫画のヒロインさながらに、夢の世界だけのつかの間の恋物語を思いのままに楽しむようになります。
*明晰夢…夢の中で自分が夢を見ていることに氣がついている夢のこと。
夢の世界では集中力を発揮しながら力強く自由闊達に立ち回ることができてはいても、片や、目の前の現実のこととなると、いつもどこか夢見心地で毎日をぼんやりとやり過ごしていたユメミさんは、社会に出るやいなや、厳しい現実に直面します。
注意散漫で、決まりきった単純なルーティーンワークさえマニュアル通りにこなすことができずに、うっかりミスを連発する新入社員のユメミさん。
最初のうちこそ優しく大らかな態度でかばってくれていた唯一の味方の先輩社員からも、次第にユメミさんに対して、苛立ちと侮蔑の入り混じった冷たい言葉と態度が向けられていきます。
私は何もできない。
私はダメな人間だ。
そんな思いにさいなまれて、怒られないように怒られないようにと職場の人たちの顔色を窺いながら、ひたすら頑張り続ける毎日。
見たい夢を自由に見ることのできる力はどこへやら、やがて、ユメミさんは毎晩のように悪夢にうなされるようになります。
上司からかつてないほどにきつい叱責を受けた日の会社からの帰り道のこと、どんより重たい心と体を引きずりながらフラフラと何氣なく立ち寄った書店で、ある一冊の本がユメミさんの目に留まります。
『幸運を引き寄せる魔法の言葉』
“魔法”の文字に吸い寄せられるようにして、思わず手を伸ばして、パラパラと本をめくってみると。
「ツイてる、ノッてる」
「最高です」
「ありがとうございます」
本の著者、金太郎氏(仮名)が提唱する、それら三つの文言を用いた魔法のメソッドが紹介されていて、それにより人生が劇的に好転したという実践者たちのリアルで生々しい体験談に、ユメミさんの心は釘付けになります。
藁にもすがる思いで本を購入したユメミさん。
その晩、むさぼるように一氣に本を読み終えると、翌朝からさっそく魔法のメソッドに取り組み始めます。
「ツイてる!ノッてる!」
「サイコーです!」
「ありがとうございます!」
朝目覚めてすぐに、夜眠りにつく前に、ありったけの氣持ちを込めて声高らかに繰り返し何度も三つの文言を唱えること三週間、ユメミさんの日常に驚くべき変化が訪れます。
「おつかれさま♪」
苛立ちと侮蔑の感情をあらわにしてユメミさんにきつく冷たく当たっていた先輩社員が、なんと、そんなねぎらいの言葉とともに、ユメミさんに向かって当初の頃と同じように、にっこりと優しい笑顔を向けてきたのです。
この奇跡のような出来事に、魔法のメソッドの確かな効果を実感したユメミさんは、その日を境に金太郎氏の著書を次々と読み漁り、実業家であり”幸せなお金持ち”として名高い金太郎氏のことを人生の師として仰ぎ見るようになります。
その後、夜ごとの悪夢からもすっかり解放されて、いつものように、三つの文言を唱えてから心穏やかに眠りについたある晩のこと。
響き渡るような声がどこからともなくかすかに聴こえてきて、その瞬間に、ユメミさんは自分が夢の中にいることに氣がつきます。
周りを見回すと、きらきら光る蜘蛛の糸のようなものが美しい幾何学模様を描きながら、あたり一帯に果てなくどこまでも張りめぐらされていて、まるで壮大な蜘蛛の巣の迷宮に迷い込んだかのようです。
声の聴こえてくるほうへ向かって、蜘蛛の糸をたどりながら進んでいくと。
「ツイてる!ノッてる!」
「サイコーです!」
「ありがとうございます!」
馴染み深い三つの文言を唱和する人々の声が大きくはっきりと聴こえてきて、声のするほうを見やると、蜘蛛の糸の一角に群れを成している大勢の群衆が目に入ります。
群衆の上空のほうには、黄金のしゃちほこを両脇に携えて鎮座している金太郎氏の姿が、ゆらゆらと浮かび上がって見えます。
「ツイてる!ノッてる!」
「サイコーです!」
「ありがとうございます!」
群衆の唱和する声が再び高らかに響き渡った、次の瞬間。
群衆ひとりひとりの上昇運氣のエネルギーが、突如として、金太郎氏のいる上空に向かって勢いよく流れ出していき、金太郎氏の体内に瞬く間に吸い込まれていきます。
三つの文言が繰り返し唱えられるたびに、それらの文言がトリガー(引き金)となって、文言を唱えている当人自身に本来もたらされるはずの成功や繁栄、良縁やチャンスといった幸運のエネルギーが金太郎氏のもとにグングン吸い上げられていき、金太郎氏本人のものとして付け替えられていきます。
あまりに衝撃的な光景を目の当たりにして、恐怖と混乱から、ユメミさんがあわててその場を立ち去ろうとした、そのとき。
あろうことか、金太郎氏とハタと目が合います。
とっさに群衆の中に紛れ込んで、金太郎氏の視界からすばやく身を隠したユメミさん。
やれやれとほっと胸をなでおろしながら、ふと周りの様子を窺ってみると。
「ぎゃあぁぁぁ…!!」
ユメミさんの視界に飛び込んできたもの、それは、モゾモゾとうごめく何体もの”ゾンビ”たち。
三つの文言を繰り返し唱和している大勢の群衆は、もはや人間ではなく、運(幸運)と氣(生命エネルギー)を吸い取られ続けて生ける屍(しかばね)と化したゾンビの集団であることに氣がついたユメミさんは、自身の口から吐き出された叫び声で夢から目を覚まします。
ユメミさんが体験したこの明晰夢は、はたして、ユメミさんの無意識が創り出した単なるファンタジーなのでしょうか?
夢見の達人、ユメミさんが、その後、夢の中で見たものとは?
最後に、事の顛末をたどっていきましょう。
「集合意識に初めてアクセスできた貴重な体験」
金太郎氏の魔法のメソッドにまつわるSFホラー映画のような明晰夢の体験について、ユメミさんは、そう語ります。
後でわかったのは、夢の中で見た蜘蛛の巣の迷宮は、いろいろな人たちの無意識が蜘蛛の糸のようにつながり合っている集合意識の場であって、そこは、思考、感情、行動、出来事、過去生・未来生といった、すべての個人のすべての記録や情報が集まっている、いわば、アストラル界の巨大なデータセンター。
意識を保ったまま夢に入ってそこへ出かけると、誰かの潜在意識(無意識)の中に他者の悪意による書き換えや書き込みの痕跡を見つけたり、誰かの成功の運氣がほかの誰かに横取りされる場面に居合わせたり、周りの運氣を吸い取るための巧妙な仕掛けが施されている現場に行き当たるということもある。
人氣者や成功者と言われる人たちの中には、金太郎氏と同じように、アストラルレベルで他者の運氣を吸い取り続けるという略奪行為により富や名声や地位を成した者が、驚くほど多い。
その後、集合意識に何度かアクセスするうちに、表の世界からは窺い知れない、人間や人間社会のそうした闇の側面について多くを学んだとユメミさんは話します。
パワースポット、神社・寺院、御守り、御札、護符、図形、祝詞、アファメーション、集団瞑想、集団祈願、伝授式のヒーリング、etc.
ユメミさんの話によると、とりわけこれらのような神聖視されているたぐいのもの-場所、モノ、行為-には、人の運氣を吸い取るための仕掛けが施されていることが多く、それゆえ、皮肉なことに、それらのものに傾倒している信心深い真面目な人たちやスピリチュアルな人たちほど運氣や健康が損なわれやすい傾向にあるのだとか。
外から吸い取る(有限)=飢餓意識。
内から吐き出す(無限)=豊穣意識。
外から吸い取るほど愛から遠ざかって恐れが膨らんでいき、飢えて渇いたハートがますます外から吸い取るようになって、ますます恐れが膨らんでいき、ハートがますます飢えて渇いていく。
そんな底なし沼の負のループの呪縛が解かれて、「吸い取る」から「吐き出す」へと、もしも人類全体の集合意識がくるりと反転するとしたら。
世界はどのように変わっていくのでしょうか。
次回12月号も、隠れた扉の向こう側に広がる未知の景色をお届けしていきますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました☆彡
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